mugimiの怠惰な毎日をだらだらとお送りします
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奈良一人旅・その3
2010年06月05日 (土) | 編集 |
薬師寺は、なんとも美しいお寺だった。
nara12.jpg


あまりの美しさに、この建物は「竜宮」と称されていたらしい。

金堂や西塔は16世紀に火災で焼失し、その後再建されたものだが、
東塔は創建当初より現存する、なんと1300年前の建物。
もちろん国宝。
nara13.jpg


ちょうど私が入ったとき、建物の中にわんさか人が座っていて、
まさに今からお坊さんが法話をするような雰囲気。

おお、これはグッドタイミング。
せっかくなのでお話を聞かなければ。

・・・と思ってイスに座ったのだが、よく見たら、
前に座っている「わんさかいる人たち」は中学生で、
修学旅行生だったのである・・・。
(数人の大人が後ろに座っていると思ったら、引率の先生だった。)

と、気づいたものの、そのときには法話が始まっていたので・・・。
話し始めてから席を立つのも失礼かと思って、
一番後ろでちんまり座って一緒に話を聞いたのだった。


お坊さんの話はえらく面白いものだった。

イマドキは面白くしないと、多分中学生の興味を引かないからなんだろうけど。

お坊さんが、奈良ではどんなお寺があるか、ということを聞いたところ、
中学生諸君、口々に言うわけである。
「東大寺~」とか「法隆寺~」とか。
で、なかなか薬師寺が出てこないわけ。

お坊さん、ここで話を遮り。

「わかった。質問を変えよう。
奈良で、一番素晴らしくて素敵でゴージャスで、
お坊さんがかっこいい寺はどこか、という質問にしよう。
いやちょっと待て。今答えを言うんじゃないぞ。
みんなは中学生だ。
中学生といえば子供ではないぞ。
そろそろ『この場にふさわしい答えは何か』ということを察して、
それに対して答えるということが出来なくてはいけないからな。
さていいか、さっきの質問だ。
奈良で、一番素晴らしくて素敵でゴージャスで、
お坊さんがかっこいい寺はどこか。
みんなで一斉に答えてもらおうじゃないか」

というと、さすがの中学生も(しぶしぶと)
「やくしじ~」
と声が合った。
お坊さん、ニンマリ。

「さて、ここでみんなに問題を出すぞ。
私が言うことがその通りだと思ったら手を挙げろ。
みんなの後ろにはな、先生が座っているが、ここは良く出来ていて、
みんなの手は先生からは見えないことになっている。
だからみんな、正直に手を挙げてくれ。」

半信半疑で頷く中学生軍団。

「さて一問目。
この修学旅行はつまんねーな、早くおわんねーかな、と思っている人、
手を挙げてみろ。」

私は先生ではないので、みんなの手が見えたのだが、
ほとんど挙がらなかった。

「じゃあ、二問目だ。
くれぐれも言うが、みんなの手は先生からは見えないからな。
学校の勉強はつまんねーな、面白くねーな、早くおわんねーかな、
と思っている人、手を挙げてみろ。」

手がわさわさわさわさわさわさっと挙がり・・・。
見えていないハズの先生はなぜか苦笑。


そんな導入で中学生のココロをつかんでから、いざ薬師寺の説明へ。

薬師寺が誇る東塔の話になったのだが、
そもそも塔とはなんなのか。

塔は本来お釈迦様のお墓を意味する、梵語のストゥーパが音訳されて
卒塔婆[そとうば]となり、それが塔婆、更には塔と表現されるようになったもの。
お釈迦様のご遺骨(仏舎利[ぶっしゃり])を埋葬して盛り土をしたものが原型。
その塔婆を遠くからでも拝めるように、また尊敬の気持ちから、
より高い台の上にお祀りするようになった、とのこと。

そんな話をしたあと、お坊さんがインドのストゥーパの写真を掲げながら、

「じゃあ、みんなで声を合わせて言ってみるぞ。ストゥーパ!」
中学生「ストゥーパ」
お坊さん「ストゥーパ!」
中「ストゥーパ」
坊「ストゥーパ!」
中「ストゥーパ」
坊「お母さんが夕方に行くのは?」
中「スーパー」

何なの、この人たち。

さてさて。

薬師寺の金堂にいる仏様が「薬師如来」。
またの名を医王如来ともいい、医薬の仏様とのこと。
そして薬師如来の左右に控えているのが日光菩薩と月光菩薩。
この二人で薬師如来をサポートしているとのこと。

「ほら、お医者さんをサポートする人がいるだろう。
なんていう職業だ」

とお坊さん。

「ナース~」と中学生。

坊「何で英語なんだよ。」

・・・というわけで、日光菩薩と月光菩薩はその名が示すとおり、
昼間と夜間をそれぞれ担当しているとのこと。

坊「ま、いわば、あれだな。
日勤と夜勤で24時間態勢で頑張ってくれているってことだ。
しかも365日、休みなしだ。」

・・・それは大変だな、と心の中で思う私。
(というか、ドクター役の薬師如来は休憩ナシなのか、
と突っ込みたかったが。)

坊「病気というのはな、体の病気だけじゃないぞ。心の病気もある。
欲が深いとか、正直でないとか、疑い深いとか、
腹が立つとか、不平不満、愚痴ばかり、これはみんな心の病気だ。
どうだ、みんなも数えてみたら一つや二つ、百や二百、千や二千はあるだろう。」

どきっ。

坊「それにだ、みんなは学校の勉強がつまらない、わからない、という。
成績が悪いことを、先生が悪いからだ、授業が悪いからだ、教科書が悪いからだ、
と自分以外のせいにする。
でも、人によって英語が好き、数学が好き、と違いがあるだろう。
もし教科書が悪い、先生が悪いというんなら、同じクラスの全員が、
その教科が嫌いになるはずだ。」

私の前に座っていた先生方、まるでスイッチが入ったかのように、
一斉に同時に頷いたので思わず吹き出しそうになってしまった。

坊「つまり、好きか嫌いかは一人一人の心が決めているんだ。
さっきも言っただろう。不平不満も心の病気だ。
自分がこれから何を勉強するのか、何を勉強したいのか、
一生かかって見つけていかなければならない。
これは誰も教えてくれない。自分で探すんだ。」

・・・ホント、その通りである。
私も、まだまだ勉強だなあ、と4月からの研究生活に思いをはせたりして。

坊「さて、じゃあ最後の三問目だ。
この質問にも手を挙げて答えてくれ。
今回はな、先生からはみんなの手が見えるぞ。
しかし、今回は私からはみんなの手が見えない。
みんな正直に答えてくれ。
この坊さんの話、つまんねーな、早くおわんねーかな、と思っている人、
私からは見えないので、手を挙げてくれ。」

一瞬顔を見合わせた中学生、誰一人として手を挙げなかった。

お坊さんもしてやったりのニンマリ顔。

こんな面白い法話でしたら、そりゃ中学生も楽しいだろうねえ・・・。

そんなわけで、私も中学生と一緒に、フレッシュな気分で(?)、
このあと東塔や薬師如来をじっくりと眺めたのだった。

そのあと絵馬のところを見ると、やはり病気快癒の願いが多い。

「クレアチニンの値がこれ以上高くなりませんように」
という、ちょっと胸の痛いお願いもあれば、

「○×君の病気(女癖)が治りますように」
というのも・・・。

うーん、まあ、これもビョーキか。確かに。
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