mugimiの怠惰な毎日をだらだらとお送りします
スポンサーサイト
--年--月--日 (--) | 編集 |
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

モラハラ
2007年02月21日 (水) | 編集 |
先日、藤堂志津子の「昔の恋人」という本を読んだ。

なつかしさと、ほろ苦さと、悔いと、いとおしさと、
すべてがない交ぜの「昔の恋人」。
十数年ぶりにかかってきた電話をきっかけに、
かつての恋人との再会を果たす表題作をはじめ、
著者自身の体験を色濃く反映した短篇4作。

と書評にはこうあるが、私が妙にこの話が心に迫ったのは別の点にある。
この本の中に出て来る主人公の女性の境遇に妙に共感を覚えたのである。

この本の一番最初の短編の主人公はかつて保険会社に勤めるOLだったという設定だが、
上司に二年間ネチネチと嫌味を言われ続け、
それに耐えられなくなってある日突然辞表を提出したという経緯がある。

耐えられなくなったのは上司の嫌味ではない。
自分の欠点をそうやって毎日言われ続けることで
「自分はどうやってもダメなんだ」
「自分はこの会社には貢献できないんだ」
「自分は社会に役に立たない人間だ」
と自分自身に耐えられなくなったのである。

この主人公は勤務態度も真面目だし営業成績も悪くはなかったが、
さほど社交的ではないため仕事が終わればさっさと切上げて帰宅するし、
仕事中も同僚と軽口を叩いたりすることもない、という性格。
上司はそういう主人公を相手にネチネチと嫌味をいう。
もっともっと後になってから、主人公は
「あれは単に上司が私をいじめていただけ」と理解する。
上司の鬱屈した思いのはけ口が自分に向いただけだと悟ったわけだが、
それに何年もかかってしまうのである。

しかしそれが理解できても、一度こういう体験をしてしまうと、
「またこういう人と出会ってしまったら・・・」という不安は強い。
一度「アンタはダメだ」と烙印を押された人間は、
そうだ自分はダメなんだ、だからよそのところでもまた
「ダメな人間」と言われてしまうかもしれない、
そういう不安もある。

主人公は10年かけてもなお心の底ではその不安と闘ってはいるものの、
しかし日常ではそんなことをおくびにも出さない女性へと成長する。
ある日10年前の「自分自身に耐えられない時期」
に付き合った人と突然会うことになって・・・。

というのが本筋だが、こちらは興味があれば御一読くださいませ。

とにかく、私が妙に自分自身を見てしまったのは、
上司から毎日毎日自分の欠点を言われることで、
一種のマインドコントロールをされてしまうというところ。

以前の日記に
「前の職場について思い出そうとしてもまるで映画を見ているかのように現実感がない」
と書いたが、無意識に私はこれら一連の記憶を封じ込めたのだろう。
だって、この本を読んでかつての「現実」が生き生きと迫ってきて息が苦しくなったのだから。

昨日、たまたま本屋で立ち読みをしていたら、
吸い寄せられるかのように香山リカの新刊、
「知らずに他人を傷つける人たち-モラル・ハラスメントという大人のいじめ」
に目が行った。
思わず本を手にしてしばらく読み、あの生々しい現実がまた一気に迫ってきた。

amazonの内容紹介にはこうある。

家庭や職場での精神的暴力、モラル・ハラスメントが話題です。
「セクハラ」の次に来た新種のハラスメントは一体何モノ? 
加害者は、言葉や態度によって巧妙に相手を傷つけるこ
とによって、相手を支配し、隷属させようとし、
被害者は気づかないうちに相手の術中に陥り、
「悪いのは自分のほう」という意識にまでなるといいます。



モラハラについてはこんなサイトもあり、
職場だけでなく、夫婦間でも充分に起こりうるハラスメントであることがわかる。
ちなみに職場でのこうしたモラハラは「パワハラ」とも言われていて、
このサイトではパワハラ度チェックもある。

1 たびたび部下を説教している  
2 陰口が気になり、部下の行動を監視したことがある  
3 つい、部下に当たってしまうことがある  
4 問題が起きたとき部下のせいにしたことがある  
5 つい、えこひいきをしてしまう  
6 相性が合わない部下は無視したり、つい怒鳴りたくなる  
7 部下にたばこやジュースなどを買いに行かせることがある  
8 取引先など社外で部下を怒鳴ったことがある  
9 誘っても飲みに来ない部下は、嫌いだ  
10 イライラしたときに部下に愚痴を言うと、多少はすっきりする

あらまー(思い当たることが・・・)。

私自身があまり仕事探しに真剣になれなかったのは、
考えてみればこの呪縛から逃れられないせいかもしれない。
「私なんて研究者に向いてない」
「私なんて要領悪いし他の仕事も出来ない」
・・・etcetc。

それは呪縛だ、と自分を解放してあげたいのだが、
人間なかなか「あ、そうなの?じゃあ♪」と気持ちが切り替えられないのである。
スポンサーサイト

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。